豚肉はよく焼け

~Life is amazing~

味噌汁は美味しいだけじゃない。

こんにちは。さとひさです。
ふと思いつきで短編というかエッセイというかそういった類いのものを載せていきたいと思ったので、自分のブログなので勝手に載せていきますね。
素人の文章ですが、お付き合いいただけたら幸いです。

《味噌汁》

朝、食卓へ行くと机に味噌汁がある。これが食卓に並んでいるのを見ると「朝だ」と私の寝ぼけた脳みそが自然と感じる。ゆっくりと椅子に座りぼーっとする。味噌汁のにおいが鼻に入り、うとうと眠くなるのだけど、脳みそはとても喜んでいる。私はしょぼついた目で「具は何かな」と考える。見れば分かるのだけど、見ても頭に入ってこないから、適当に考える。昆布とネギかな。ふが入ってたら少し幸せかもしれない。ああ、いいにおい。私にとっての朝のにおいは味噌汁のにおいかもしれない。味噌汁のにおいは寝ぼけた脳みそに優しくしみ込んで心地いい。飲んだ時から胃に届くまでに比べたら大したことないのだけど私はこれも好きだ。隣では弟が味噌汁を啜っている。
「お姉ちゃんも早く飲みな。遅刻するよ。」
うん。早くしないとね。飲もう。そう思っても脳みそは味噌汁のにおいに惑わされ、私の体は動こうとしない。より深い幸せな朝へと沈んでいくのだ。次に飛んでくるのは怒った声。
「はやくせんと冷めるよ!」
うるさいな、お母さんは。いつもそう思ってしまうのだけど、私はこの一言で目がさめるのだった。よかった、まださめてない。その沼から引きずり出された私は湯気立つ味噌汁を見る。味噌汁にはふが入ってた。一口啜って飲むと味噌汁が胃を温めながら通っていく。この瞬間が私には至福なのだ。脳からはドーパミンが溢れ出て、私の心は味噌汁で満たされる。胃もあったかいし今みたいな寒い冬にはたまらない。このまま眠ってしまいたくなる。私は味噌汁の味はあまり気にしない。赤味噌だとか白味噌だとか合わせ味噌だとか、そういうのより、ふが入ってるかと温かいかとかが重要なのだ。最後まで啜って私は思いだした。ああ、そういえば言うのを忘れていた。
「お母さん、お味噌汁美味しい。」